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全国メガソーラー問題中央集会

昨日(1/14月・祝)全国メガソーラー問題中央集会に参加しました@なかのZERO・大ホール。

全国各地で推し進められている、メガソーラー事業に反対の声を上げている自治体や団体から現地の報告とスペシャルゲストにアルピニスト野口健さんを迎えてのトークなどがありました。

メガソーラー事業の最大の問題点は、法整備が立ち遅れているということ。
法律、条例は今、事業者の想いのままに進めていいことになっていて、何をどんなふうにやったとしても、お咎めがないという・・・。

その法整備を進めて欲しいという声を、本日(1/15火)経済産業省環境省に要請書を今回の主催者などで構成された賛同団体が提出する予定となっています。

・『さらなるFIT法改正を求める要請書』

・『太陽光発電施設を環境影響評価の対象とすることに関する要請書』。
こんなことが!?本当に!?という現地での衝撃的な報告に、会場内からも驚きと落胆の声が入り混じっていました・・・、ということで昨日の集会の様子です。
長文ですが、いろいろな問題がありすぎるので、よかったらぜひ読んでください。

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FIT法が制定されてから再生可能エネルギーに対する投資が加速し、全国的にメガソーラー建設による大規模な森林伐採が問題になってきました。
再エネで発電した電気を電気会社が買い取るわけで、その買い取った電気代は電気会社が払うのではなく、わたしたち国民(電気利用者)が再生可能エネルギー賦課金という税金を電力会社から毎月徴収されています、なので、電力会社はただ取り次ぎしているだけで、支払いは国民が再エネ発電事業者に支払っている、ということ。※ご家庭の東電からの電気使用明細書をご確認ください。

一家庭の年平均は8000円だそうで、徴収総額は消費税1パーセントとほぼ同額の約2兆4000億円です。諸海外と比べてみても、日本国民の負担は大幅に高いそうです。しかも、年々負担額は増え続けている。まだ稼働していない事業があるし・・・。

原子力発電所は海に面した行き止まりの土地柄であるのに対し、今回の報告団体の話によると、メガソーラーの計画予定地は、内陸の風光明媚な山あいを大量に森林伐採したり、その斜面にソーラーパネルを設置したりと・・・、そして近くに住宅が密集しています。

そして多くの反対運動をしている団体の共通している点は、

・自然破壊、大規模な森林伐採

・開発に伴う土砂災害の恐れ、リスクの高まり

・そこを住処としていた動植物などの生態系への影響

・建設による水質汚染と生活水への心配

・地域住民との合意形成がない

などなど。

また、いろんなケースがありますが計画予定地が市町村との境界であったり、県境であったりします。

双方の自治体にとって住環境に悪影響となることは明らかで、住民たちはとっても懸念しています。ほか“FIT法”や“アセス”について、団体代表者からのレクチャーがあり、改めて知ったことが多かったです。

報告団体は、

・栃木県 横根高原の自然を守る日光市民の会(横根高原メガソーラー建設計画 59ha)

・長野県 米沢地区Looopソーラー対策協議会(諏訪市四賀ソーラー事業 196.5ha)

・千葉県 鴨川の山と川と海を守る会(鴨川池田地区メガソーラー事業計画 250ha)

京都府 南山城村の自然を守る会(南山城村伊賀市太陽光発電事業 100ha:南山城村 76.6ha、三重県側 24.4ha)

岡山県 大井地区連合町内会 里山活性化研究会(事業名未申請 186ha)

・長野県 富士見町内の太陽光発電事業を考える会 (京セラTCLソーラー 12.6ha)

・(財)日本野鳥の会 

その他にも、多くの参加団体がロビーで署名活動をしていました。

計画が上がっている南山城村京都府唯一の村だそうで、代表の方曰く、この村のいまのままの豊かな自然を子どもたちに手渡したい・・・。そして計画はまだ、第2、第3とあり、本件を阻止することはとっても重要なこと。次から次へと事業をすすめられることにならないように、運動を続けていく。

また、岡山県・大井地区連合町内会の方のお話も印象的でした。

メガソーラー事業を反対していると、原発がいいのか?!といわれることもあるが、粘り強く署名運動を続け、6月に市と県に陳情書を提出、結果は市議会:全会一致で採択され、県議会は継続審議。しかし昨年7月に起きた西日本豪雨の災害後に再度県議会へ陳情提出。これは全会一致で採択されたそうです。里山保全活動にも取り組み、自然・健康・歴史をテーマにハイキングなどイベントを開催し、いつでもお客様を迎えられるように環境美化に努めている。以前起きた・九州豪雨でも、手入れの行き届かない弱った里山が土砂災害に見舞われた。森を育てて、災害の強い街を作ること。

一通り報告が終わったところで、2日前にヒマラヤから戻ってきた、という野口健さんのトーク

環境保全活動を通して、全国各地多くの方たちから、メガソーラー問題について話を聞いていた。かなり前からトレーニング先の八ヶ岳へ登るたびに以前は牧草地だったところに大量のパネルが設置され、その立地もどんどん増えていくのを目の当たりにした。再エネの先進国ドイツのソーラー事業はどうな

っているのか・・・、
ソーラー事業者に課せられる条件を調べたら、
1、建設面積の6倍の森を作らなければならない
2、森を25年間、責任もって管理しなくてはならない
3、森にいた動物たちの巣を作らなくてはならない

ドイツでは太陽光発電事業を広げる前に、森を伐ったらその責任をしなくてはならない、ということ。

野口さん自身もジブンがよいと思っているから、みんなもいいと思ってくれているに違いないと、18年前に始めた富士山の清掃活動。呼び掛けた当初は、100人だった。4年続けていたら400人になったので、もう4年続けようと。そうしたら5000人になった!いまは全国から7000人もの参加者がある。

始めたころは、収拾したごみ処理のお願いに富士山周辺自治体の役場にいくが、なかなか相手にしてもらえたかったけど、これだけ活動が広がると、行政も無視できなくなる。

また、デジタル放送が始まったら、樹海にテレビが大量に不法投棄されたが、多くの参加者のおかげで清掃活動が進みキレイになった。選挙が迫ると、議員も清掃活動にやってくるようになる。

メガソーラー事業者に予定地の土地を売ってしまうことがなければ、この事業は進めない。どうして、土地保有者は手放さなければいけないのか・・・、そういう点も考えていくこともこれからは大事なこと。などなど

・・・以上、野口さん談

最後に、伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会 代表でこの実行委員長の方からあいさつで閉会しました。

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報告者の方たちが映し出す地元の風景(計画予定地)を見ましたが、

本当に自然豊かで素晴らしいところです。ここにソーラー事業とはとんでもないことと、誰もがそう思うと思います。

自然を壊さないと進めることが出来ないという本末転倒なメガソーラー。当事者たちはこの事業の進め方が正しいと思っているのか・・・。
いくら、法律がそうであったとしても自然を壊すこの再生可能エネルギーは偽称だね、正しくは再生不可能、と思う・・・。

法律がとにかく、今のままではおかしい!!早急な法整備を全国の自治体が待ち望んでいます。

事業者の中には悪質なものもあり、例えば徳島・阿南町では、違法な農地転用で建設されたと発覚されたものが93件。
長野県駒ケ根市でも住民協定ないまま、稼働。
千葉県市原市でも林地開発違反が41件、その中でもより危険なものが3件あり、うち2件が太陽光発電
三重県では、自宅の周りにソーラーが取り囲むように設置されてしまい、家の温度が50℃になってしまう家や、ソーラーの反射光がひどく、家の中でサングラスをかけないと過ごせない、という・・・。

また山を削ったところに、産廃などのゴミを不法投棄して埋めているという報告。メガソーラー稼働前に産廃ごみの処分代とソーラー事業で二重に儲かる仕組みになっている、という・・・・、その土地を守りたいという人たちの想いにさらに追い打ちをかける行為にひどく悲しくなります。

『メガソーラー事業は今まで平穏に暮らしていた住民同士の間に軋轢を生み、この土地で作った電気は送電網で都市へ。そして資金になって海外へ流出。地元の自然は壊されるだけ壊され、何も残らない・・・、残るのは使用済みのパネル、というのが実情です。』

と発言者の言葉に、本当にこの事業をみんなで考えていかなくてはいけないとの思いが強くなりました。

メガソーラー事業者が倒産することも考えると、設置したパネルの処理は誰がするのか?!という問題も今後きっと出てきます。

実際昨年度のソーラー発電事業者の倒産件数は88件。

“倒産したからあとは知りません”、では済まされない。

また、使用済みソーラーパネルの処分方法のガイドラインも定まっているとは言い切れません。パネルには重金属も使われているので、経年劣化で腐敗し、化学物質が土壌を侵食し、河川や海を汚染することも想像されます。

統計によると総務省は、2040年に使用済みのパネルのゴミが、2015年度の300倍の80万トン出ると予想しています。

このパネルの捨て場に困った末、ソーラ―パネルの上に次から次へとパネルを積み重ねていくような・・・、日本中がパネルの山だらけになる!!なんてことになりませんように!!!

飯能でもソーラー事業の計画が上がってきています、すでに市内でメガソーラーはすでに稼働していますが・・・。

でも、おかしいと思うことに、おかしい!!という人の輪が確実に広がってきています。

市民のひとりとして、住民の立場になって、

未来に残したいものは一体何なのか・・・、

一緒に考えていきたいです。

 

#全国メガソーラー問題シンポジウム実行委員会
#野口健
#FIT

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