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阿須山中開発問題【飯能市長への要望書】

飯能市長にお渡しした要望書です。

「森林文化都市」、「第6次飯能市森林整備」の理念に反する「飯能市阿須山中土地有効活用事業」の中止と白紙撤回を求める要望書

【阿須里山の自然を後世に引き継ぐことは私たちの責務】
 私たちは開発が計画されている加治丘陵・阿須里山(阿須山中)の観察と調査を数度にわたって行ってきました。そのたびごとにこのゆたかな自然を次世代に引き継ぐのは私たちの使命であり責務ではないかという思いを強くしています。
 飯能市教育委員会が発行している「飯能お宝スポット」でも加治丘陵は「植物の宝庫」だと紹介されています。入間市は「加治丘陵里山計画」をつくり加治丘陵のゆたかな自然を後世に引き継ぐため努力を続けています。

【なぜメガソーラー施設をつくらなければならないのか】
 その里山の自然を伐採し、ここにサッカー練習場と付帯設備としてメガソーラーを建設しなければならないのかいくら考えても納得できる理由を私たちは見出すことができないのです。17㌶のうちサッカーの練習場は17分の1(0.9㌶)に過ぎず、そのほとんどがメガソーラー施設の建設予定地です。メガソーラー設備をつくる付け足しにサッカーの練習場を造るといっても過言ではないと思います。
私たちはサッカー練習場をつくることやメガソーラー施設をつくることに反対しているわけではありません。本当に必要ならこれまで保全してきた貴重な混交林の自然を伐採しないでも、いくらでも他に適地があるはずです。

【「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」も阿須里山があったからこそ】
入間市青梅市の近隣市や宗教法人立正佼成会は加治丘陵の自然保全のために全力でとり組んでいます。もともとこの市有地は飯能市が加治丘陵を乱開発から保全するために50億円の巨費をかけて取得した土地です。市民もそのことを理解し、その重い負担を担い耐えてきたのです。そこには現在、阿須運動公園、市民体育館、市民球場、駿河台大学サッカー場トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園など市等の重要施設が整備され活用されています。トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園は250万年前にはこの地にあけぼの象がいたことを踏まえてネーミングされています。この公園が国の選定を受け、この地に誕生したのも奥深い豊かな加治丘陵阿須里山の自然があったからこそです。このような歴史経過にも思いをはせ、飯能市も近隣市と協力して加治丘陵の自然環境の保全に力をつくしていただきたいのです。

オオタカも生息する緑のトラスト6号地に隣接】
 また同地内を源流とする唐沢川に隣接する地域には緑のトラスト6号地「加治丘陵唐沢川流域樹林地」(入間市)があります。阿須里山のゆたかな自然林の伐採は緑のトラスト6号地やオオタカの生息する加治丘陵の環境にも深刻な影響をあたえるのではないかと危惧しています。

【メガソーラー利権の疑いも。後は野となれ山となれでいいのか】
 加治丘陵の自然保全を目的に50億円で取得した土地の一部を年間120万円という格安の賃料で貸与し、かけがえのない自然林を伐採していったい誰のためになるのでしょ
うか。事業者の選定でも、事業者審査項目で経営健全事業者加点0の事業者がなぜ選定されたのか。土地賃貸契約書はなぜ2ヶ月も経ってから公表されたのか。私たちの疑念は深まるばかりです。しかもメガソーラー建設予定地は太陽光発電には不向きな北側斜面であり、これで持続可能な安定した運営ができるとは考えられません。むき出しの地面と太陽光パネルの残骸が残るという最悪のシナリオも心配されています。メガソーラー利権を疑う声も出されています。後は野となれ山となれでは困るのです。

【近隣市、市民と力合わせ加治丘陵阿須里山保全を】
 私たちは飯能市が作成した「第6次飯能市森林整備計画」で、「本市は、森林文化都市として、これまでの歴史の中で築かれてきた貴重な財産である森林の魅力を高めるとともに、市民が豊かな森林を有する飯能市に誇りと愛着を持ち、将来にわたり健全な森林が継承されて行くことを目指します」と述べているように、本市が「阿須山中土地有効活用事業」を白紙撤回し、近隣市と力をあわせて加治丘陵阿須里山の自然を保全するという市政本来の立場を取り戻すことを心から望むものです。